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THE DEAD ZONE

約7分

こんにちは、ENDです。   こないだの続き、 クルマ出てくる映画紹介シリーズ、空冷VW編です。   ではご紹介しますは・・・ S.K. (3) THE DEAD ZONE  (1983年作品)   ちなみにこちらの映画、 S.K. (5) スティーヴン・キング原作の小説が映画化されたものです。 キング原作といえば、 2年前にも当ブログで「クリスティーンをご紹介しましたね。 大概キング作品の映画化は、原作の持つ「良さ」がスポイルされて、 ただのホラーや怪奇映画になってしまうのですが、 この「デッド・ゾーン」は珍しく!?映画も大変良いのです。   一応 映画のあらすじは、 高校教師のジョニーは交通事故に遭って昏睡状態に陥り、約5年後に目覚めます。 そして奇跡はそれだけでなく、ジョニーは人に触れると その人の過去、現在そして 未来が、わかるようになっていたのでした。ただし断片的に・・・ というのが、大まかなストーリーなのですが、 こればかりであったなら、ただのサスペンス・スリラーとなったでしょう。   映画は原作のストーリーの軸(あるいは主題)のひとつである、 主人公ジョニーの、失ってしまった もうけっして得る事が出来ない幸せと、 まったく自分が望まないものを得てしまった 孤独と葛藤を中心に描かれています。 S.K. (4) 原作のいいところをうまく映画にまとめた監督・製作の手腕も然る事ながら、 主演を務めた役者さん、クリストファー・ウォーケンの演技も良かったのでしょう。 この役者さん、 他の出演作品で有名なところでは、ロバート・デニーロと共演した S.K. (6)S.K. (7)ディア・ハンター」があります。 この映画のストーリーと息詰まるロシアン・ルーレットのシーンは衝撃的で、 クライマックスは あっけないほどに儚く悲しいものでした。 (ちなみにこの映画には’59 Cadillac が登場します) その他出演作では、「ギャング・オブ・ニューヨーク」、「トゥール・ロマンス」では ギャング/マフィアのボスを演じ、「パルプ・フィクション」にもチョット登場していたりする 渋い役者さんです。   また主演以外の役者さんでも、 物語の中で、目的の為なら手段を問わず、やがて自己顕示欲が暴走する 地方政治家スティルソン を演じたのは、マーティン・シーン。 この映画では 冗舌でよく喋る男を演じましたが、 S.K. (1) TV映画「カリフォルニア・キッド」では、 寡黙でニヒルな主人公を演じていました。 ちなみに、 S.K. (2) このストーリーの主人公の愛車、’34 Ford Coupeは 11-30-2003_040 2003年のYOKOHAMA  HOT ROD CUSTOM SHOW でゲスト来日、 ライド・インしたのでした。   さて、大分ハナシが膨らんでしまいましたが・・・ 本題は 空冷VWでした。   映画の中ではジョニーの愛車として、’72 あたり?のBeetleが登場、 S.K. (16) そして交通事故に遭います。。。 しかもこのシーン、恋人サラが今晩泊まって行けばという誘いを断り、 真面目なジョニーは雨の中 家路へと急ぐのですが、 窓の内側が曇りまくって拭きながらの運転。 (ワーゲン・・・というか旧いクルマのオーナーなら誰しも経験ありますね。。。) そんな前が良く見えてない最中、対向車のトレーラーが居眠り運転で横転し、 道を塞ぐように滑ってきて、VWは突っ込んで大破してしまうのです。   こんな具合で、運命の岐路となるシーンに登場します。 しかしこの事故のシーンは「映画だけ」で、「原作」とは違うのです。   「原作」では、ジョニーの愛車が「フォルクス・ワーゲン」 そして「かぶとむし」という表現で話の流れの中で登場はするものの、 事故の場面で ジョニーが乗っていたのはタクシーで、 そこにストリート・レース中のMustang と Dodge Charger が対向してやって来て、 タクシーとチャージャーが正面衝突するというものなのです。   何故に 映画と原作で事故の遭い方が違うのでしょうか? 原作のままの映像化も、チョット観てみたかったような気もします。 トレーラーひっくり返す方が、乗用車同士の正面衝突より大変だったろうに。。。   ちなみに Mustang  v.s. Charger という 対決は、 S.K. (21)S.K. (22) ’68年の映画「ブリット」を彷彿とさせます。 サンフランシスコの坂道をジャンプしながら疾走する壮絶なカーアクションが印象的でした。 (その後に作られた映画で坂道を派手に飛ぶシーンが増えた気がしますね) ちなみにこの映画で、ボクは主人公の’68 Mustang よりも、 殺し屋の’68 Charger のツラ構えに惹かれてしまいました。。。   またまたハナシが逸れてしまいましたが、 原作では、映画と違いハッキリと物語の時代設定がなされており、 ジョニーは’70年に事故に遭い、’75年に昏睡から目覚めると事になります。 その間に世の中は、まだ残っていた’60年代の豊かさから、 暗い混沌とした政治・経済の時代へと一変しており、そんな世相が 主人公ジョニーが目覚めた後に味わう私生活の喪失感に プラスされて、 さらに孤独に追いやられるのでした。   ちなみに’70年から’75年という時代の変化を、 クルマ好き的に わかりやすく Mustang を例えに解説するならば、 70-71 大柄なBodyで大排気量 V8、優に300馬力オーバーも存在し、 ハイパワーを誇っていたのが・・・ オイルショックや排ガス規制の影響で、 75 車体もエンジンも小さくなって、100馬力足らずの直4とV6メインの その名もMutang-Ⅱに。。。 といった具合で、あまりにも劇的に変わってしまってました。   ひょっとすると、若者がMustang と Charger のStreet Race というのは、 ’70年が舞台の原作だからこそリアリティーがあったのかもしれませんね。 それに対して空冷VWであれば、 いつの時代にも馴染む、あるかもしれない日常なのかもしれません。 だとしたら明確な時代設定の無い映画版のリアリティー追求も凄いかも?? 深読みし過ぎか!?   そんな世相や時代の空気感と、様々な登場人物が追い込まれていく心理描写が 読むものに現実味のある、まるで自分も体験しているかのような不安や恐怖を 感じさせ、そこに人知を超えた出来事・恐怖がプラスされ、 一気に引き込まれてしまうのが、キング原作の凄いところだったりします。   さて、 この他にも映画は、原作のストーリーの焦点が絞られて、 なるべくシンプルに、物語が変更されている部分があります。 しかしながら 観終えた・読み終えた後の印象が同様なのは、 見事な映像化だと思います。   共に悲しい結末となるものの、不思議と どちらも絶望的ではないのです。   それはそれで仕方がない、無くしたわけではないんだという、 喪失感が和らぐエンディング、だと思います。   「デッド・ゾーン」 原作も映画も、どちらも好きな スティーヴン・キング作品のひとつを、 私的な目線で、偏向的にハナシ飛躍しまくりで ご紹介しました。   普通にどこにでも居そうな主人公が空冷VWに乗っている S.キング作品は、 まだあるのですが・・・ここらでオシマイ、またいつか。 S.K. (13) -END-   -余談- ’75年のクルマ事情を「暗い例え」で紹介しましたが、 Mustang-Ⅱはそのクルマ自体は不遇かもしれませんが、 そのフロントの足廻りは、コンパクトで優れた構造・素質を見出され、 後に様々なOld Car のカスタムに流用・移植されて、 ハンドリングの向上とルックスの両立に活かされてますね。   また’75年には、それまでなんとなくカリフォルニアで注目されていたものの、 そのStyleに まだ呼び名の無かった「速さ」と「見た目」に拘った空冷VW達を、 「California Look(キャル・ルック)」と名付けて、 初めて雑誌「hot VWs」が紹介した年でした。   どんな時代も、暗い世界だけでは終わりませんね。 明日への道筋があります。

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